なに一つ強奪してはならぬ
寛容と残酷が一王国をかけて賽をふれば、やさしい前者が勝つに決まっているからだ。
(ウィリアム・シェイクスピア『ヘンリー五世』第三幕第六場より)
◆先日拙Blogに「Agincourt SPI」の検索ワードにHITしておいでいただいた方がおられたようです。
Agincourt(アザンクール、アジャンクールとも。英語ではエジンコートといったような読み方をするみたいです)の戦いか・・・
懐かしい。
英仏(第一次)百年戦争において活躍した英王ヘンリー五世の名を欧州に轟かせた一戦です。
え、いや別に私がその時代に生きていて懐かしいとか、前世がこの戦場にいたとか、そんな摩訶不思議な話ではなくて、昔のウォーゲームを思い出したのですよ。
SPI版のAgincourtは相当なレアもので、残念ながら私も所有しておりませんが・・・ 同じ合戦を舞台にしたウォーゲームがあったような・・・
ガサガサ(((*★??*??★*)))ヘ(・_・ヘ)ゴソゴソ
したらばこんなん出て来ましたわ。
GDW社から1978年に出版された“Battle of Agincourt - 1415 AD”。いわゆる「120シリーズ」の一つです。
45分でルール把握、120分でゲーム終了、を謳った軽便なウォーゲームとして販売されていました。
戦場となる地図版はこんな感じ。淡白です。
百年戦争の当初、大陸のカレーへ進軍するヘンリー五世率いるイギリス軍。対するは(多分)2万5千もの兵力でヘンリーを迎え撃たんとするオルレアン候らの諸侯からなるフランス軍。そのイギリス軍の軍勢は僅か6千(推定)。
フランス軍は両翼を塞がれた形となった幅の狭い戦場を選び、広く両翼に布陣して側面からの攻撃を図ろうとするイギリス軍の長弓兵の配置を阻害しようと考えました。
ところがイギリス軍は寡兵であることも手伝ってコンパクトな布陣に成功し、幅の狭い両翼前線に長弓兵を集中して配置します。
更に長弓兵にはあらかじめ杭を持たせ、布陣した位置ににわか作りの簡単な馬防柵を設けさせました。
騎兵や歩兵からの攻撃を防護するためです。
なんだか長篠の合戦を彷彿とさせます。
両軍の布陣を見るとそのユニットの数の差は明らか。
ところがフランス軍の多くは徴用兵と騎士達。民間人から徴発された兵士は士気も練度も低く、騎士は戦闘力は高いものの、貴族という立場からくるプライドにより戦場で容易にコントロールできる者たちではありませんでした。
対する英軍はよく訓練され熟練を要する長弓の扱いを叩き込まれた長弓兵(『日曜礼拝のあとには必ず弓の訓練すること』とのお触れがあったと小耳に挟んだことがありますが果たして・・・)を主にした、言わば職業軍人化して場慣れした強者たち。更には国王自らがこれら「卑賤な」歩兵と共に進軍し彼らの士気は大いに高まっていたとされています。
このゲームではイギリス軍が動いてせっかくの馬防柵からのこのこと出てゆく必要はありません。フランス軍の初期配置の場所からでもイギリス軍の弓兵の射撃はフランス軍を圧倒するだけの力を持っています。
一方のフランス軍はイギリス軍ユニットの除去と戦線の突破が勝利条件になっている上、白兵戦によらなければそのイギリス軍ユニットを除去出来る可能性はまずありません。
故にフランス軍はイギリス軍の弓兵の猛射、正に矢の雨の中、何が何でもイギリス軍に肉薄しなくてはならないのです。
イギリスの勝利条件はフランス軍を35ユニット除去する事。フランス軍にとって、この損害は決して小さな犠牲では済みません。
進軍するフランス軍に応じてイギリス軍が突入します。英仏共に最初の戦闘が終了した状況です。
既にフランス軍は相当な出血を強いられています。戦線もところどころに穴が。
フランス軍の勝利条件は自軍が敗北となる前にイギリス軍を25ユニット除去する事。ところがこの時点ではイギリス軍の損害は殆どありません。その上、自軍ユニットが15ユニット除去されたため、今後フランス軍の士気値が-1されてしまいます。とうとうフランス軍に暗雲が立ち込め始めました。
フランス軍右翼が善戦したものの他は総崩れに近い状態です。
フランス軍の損害は総数72ユニット中の35ユニットに達し、戦闘の続行は極めて困難な状態です。
思ったより大きな損害です。
史実ではフランス軍はオルレアン候シャルルを捕虜とされ、1万を超す兵力を失い、文字通り壊滅と言ってよい損害を受けました。一方のイギリスは僅か数百の犠牲だったとか。
フランス軍としては騎兵を如何に巧く使うか、これによって勝敗が決しそうな気がします。
以前何度かプレイしましたが、明らかなミスをした1回を除けばイギリス軍があっさり勝っています。ゲームという「競技」としては首を傾げざるを得ませんが、「ゲーム」というより「シミュレーション」として当時の戦場を追体験できるモノ、と割り切った方が良さそうです。
しかし、こうして改めて見返してみるとやってできないことはなさそう・・・ かも? 早々簡単に勝てるとは思えませんが。
◆これよりシャルル七世の活躍までしばらくの間フランス軍はイギリス軍に辛酸を舐めさせられる事になりますが、それはまた後のお話。この戦の後ヘンリー五世は見事イングランドに凱旋を果たしたという事です。
この百年戦争でイギリスは豊かなフランスの地を手放す事になりましたが、戦乱の元となる国境争いが解消されたた点で両国は安定の基礎を得ることになりました。
◆この百年戦争にまつわる戯曲の多くをシェイクスピアはしたためていますが、演じられるのは「リチャード三世」くらいのようです。相当昔にBBCが一部演出をTV用に手直しし放送していた時に観たくらいかな? 白水社の新書で読むことが出来ます。あれもどっかに行っちゃったから、機会があったらまた買いなおして読んでみようかな・・・
(;一一)
体重【81.80】kg (またすぐ増えそう・・・)
歩数【296】歩 (今日はどうでもいいや)
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